家が走っている

 とはいえ視界の向こうまで十分に光を溜め込んだ路上や、昼間の熱気を一瞬のうちに吸い上げる雨、夜中のコンビニに光を求めて張り付く白い虫の群れには傾注せずにはいられないし、空中を流れる時間はまだ自然の元にあって、人間にはどうしようもできないという諦めと歓喜が含まれているのを容易に見つけることができる。
 移動と定住が響き合う。立ち止まる覚悟を持つことで、移動が鮮やかに立ち現れた。家があることへの後ろめたさは、家があることの苦労に変わっていくだろう。だからこそおおらかに、日々の変化に身体を曝していくのみだ。
[PR]